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読者からの面白最新エッセイ!

今回のエッセイは、なんと「ネコちゃんからのお手紙」です。外国人読者のもとに、助けてもらったネコちゃんから感謝のお手紙が届いたのです。いつもと違い、今回はちょっと心温まるお話です。空前のペットブームの今、でも捨てられてしまう動物も実はとても多いのです。このエッセイを読んで、すこし笑って、そして感動してください。本当はペットたちにもいろんな感情があり、いろんなことを思っているのかも・・これを読んだあなたは、きっと街で見かける野良猫ちゃんたちに不思議な暖かい気持ちを持ってしまうはず。
「ありがとニャー」:ある猫からの感動的なお手紙
あの日、公園の茂みから僕を助けてくれたあの人へ

お元気ですか?
僕のことを覚えているかどうか分かりませんが、僕は公園の茂みからあなたに助けてもらった猫です。あなたはお友達と一緒で、何かの途中だったような感じだったけど、足を止めて僕を拾い上げ、そして動物収容所に連れて行ってくれましたよね。あなたが僕を包んでくれたセーター、まだ覚えています。そのセーターに付いていたラベルでさえも覚えています。柔らかくて暖かかった。それには、カシミアが入っているって書いてありました。10%か20%だったかな。 そのセーター、汚れも落ちてきれいになっていることを願います。とってもいいものでした。
今となっては、あなたはきっと僕を覚えてはいないでしょう。僕は体重も増え、毛のつやも出てきて、首輪もしています。今は、郊外にあるとても大きなアパートに住んでいます。上には2つのベッドルーム、そして下にも2つ、3つのベッドルームと浴室。
実は僕、とってもいい家族にもらわれたんです。僕の飼い主は、マーケティングをやっている人です。そしてその奥さんは、専業主婦で、小さい女の子が一人います。僕は毎日1時間ぐらい、その女の子と遊んで、それ以外は毛並みをそろえたり、昼寝をしたり、昼中壁をずっと眺めていたりと自由に過ごしています。その女の子は、時々僕のひげを引っ張ったりするんだけど、まだ彼女は小さい子供だから僕は気にしていません。僕の家族は、僕に「ジャスティン・ティンバーレイク」という名前をつけてくれました。何で「ジャスティン・ティンバーレイク」なのかは分からないけれど、皆が僕を呼ぶ時なんだかとても嬉しそうです。どうやら有名なアイドルと同じ名前らしいです。

時々、買い物の日の前の日にドライフードをくれる時があります。とっても美味しいし、
小さい魚みたいに尖ってたりします。それがまた面白いんです。


それ以外の時には、缶に入った美味しい高級そうなえさをもらえます。その美味しいえさの中に何が入っているのかはまだ判明していません。ギリシャ製のサフランかなと思ったんだけど、先日シェフィールドのパーティーに行った時に出されたターメリック味の羊肉がとっても似た味だったから、きっと間違いなくターメリックだと思います。まあ何にしても、僕みたいな猫にしてみたら、結構なご馳走であることには代わりがありません。

あなたが僕を見つけた時、きっと僕は人生の中で一番どん底の段階だったと思います。あの時、僕はまだ生まれて数ヶ月というところで、自分自身をどう守るべきかを全く知らなかったのです。僕のママは、セメントトラックに踏み潰されて、僕と僕の弟は2人だけになってしまったのです。僕の弟はとても痩せていて、それは僕がいつもママの前のおっぱいを占領し、弟は後ろのおっぱいからしかもらえなかったからなんです。ママが轢かれてしまった後、弟は病気になり、そして死んでしまいました・・・。僕があんなに食いしん坊でなかったら、そして弟がもっと強く成長してれば、といつも後悔してしまいます。あの時僕はどうしたらいいのか何も分からなくて・・とにかく、僕を救ってくれたあなたに感謝の言葉を言いたかったのです。

本当に僕はラッキーでした。あなたが僕を動物収容所に連れて行ってくれた後も、僕の将来はまだまだ不安定なものでした。そしてそこで色々な厳しい状況にいる動物達に出会いました。僕よりもひどい環境にいた猫や、収容所仲間のしっぽが半分しかないトミー・・・。彼は、普通の猫が見ないような出来事も見てきていました。ただひたすら僕は毛づくろいをしながら自分の人生はもっと良くなるはずだと、祈るばかりでした。
毎朝、メインのドアが開けられると、かなり沢山の猫達が放されます。何匹かの猫は、「パレード」と呼ばれる場所に行きます。その「パレード」は、収容されている猫と、猫を飼いたいと言う人を引き合わせる場所でした。その「パレード」に行かない猫は処分されてしまうのです。僕らはこれを "第9の扉"と呼んでいました。朝にいなくなった猫は二度と戻ってこず、その後彼らのことを話題にすることも二度となかったのです。

僕が収容所を出る前の晩、半分尻尾のトミーが狂ったようにしゃべっていました。彼は、まるで毛玉が喉に詰まったかのように話し続けていました。その理由は、彼が「パレード」に行けるチャンスがないからなのです。でも、僕はいまだに楽観的で、トミーはきっと何とかしてあそこを出るだろうと思っています。
何事も当たり前だとは思いたくありません。だから今あなたにメールを送っています。あなたは、見てみぬふりをすることもできたはずです。だって、僕はあまりにも弱っていて、鳴き声はほとんど聞こえなかったにちがいありませんから。
なのに、あなたは足を止め、僕のために時間を割いてくれたのです。


嬉しいニュースがあるんです。実は僕、父親になります!通り下に小さいかわいいペルシャ猫がいて、ここしばらくの間、彼女とお付き合いしているんです。彼女はとってもちょっとふわふわしていて、上品な猫です。でも僕の飼い主は、そのことをまだ知りません。ふふふ。
彼女はあと数週間で出産です。生まれてくる子供たちには僕の血も入っているはずです・・アッそういえば僕は収容所で避妊手術を受けたのだった・・ なんてこった!とにかく、僕達は一緒に生活し、自分の子として子猫たちを育てるつもりです。捨てられた車の下に家を作ったんです。全てが揃っている訳ではないけれど、僕達は十分幸せです。実は僕、あなたの名前を子猫につけようと考えているんです。「あの日、茂みから僕を助けてくれた人」じゃ、あまりにも長すぎるので、短くしてニックネームをつけるつもりです。で、その子が大人になったら、あなたの事を話してあげようと思っています。こうしてあなたの思い出はずっと生き続けていくのです・・・。

あなたがこのメールを受け取り、読んでくれていると願います。次にいつコンピューターを使うことができるかわかりませんから。実際のところ、僕はこのコンピューター室に入ることを許されてないのですが、鍵をゴムでくっつけて開けたのです。これは、収容所にいた時に仲間から聞いた「生活の知恵」です。多分僕の飼い主は、僕がマウスを攻撃するのではないかと心配しているんだと思います。ははは。(これぞまさに猫ならではのジョークですね!)

さて、これでお話しは全てです。あなたが茂みから助け出した、みすぼらしい子猫をこれからも覚えていてください。そしてあなたが私に与えてくれた素晴らしい命、そして素晴らしい生活を・・・。私はずっとあなたを覚えています・・・。



敬具
ジャスティン・ティンバーレイク


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